カシプラレポート第6弾!「鹿島神社・結鎮座の渡御行事」
鹿島神社の歴史 ~ご鎮座850年~
香芝市下田に鎮座する鎮守の杜「鹿島神社」の創建は1172年。
平治の乱(1172年)で平清盛に敗れた源義朝(頼朝の父)は、家臣である鎌田政清の舅長田忠致を頼って尾張の国(愛知県)を目指すも、忠致の裏切りに合い政清とともに殺されてしまいました。難を逃れた政清の子 政光は常陸の国(茨城県)鹿島神宮に辿り着き、源氏の再興を祈願します。その夜、夢に現れた一老翁の「西へ向かえ」とのご神託に従い、政光は旅に出ました。その道中、現在の香芝市下田の地で、筑波山に似た二上山の景色に懐かしさを覚え、ここに小祠を建て鹿島大明神を祀ったのが鹿島神社の由来だそうです。
鹿島神社の特殊行事 ~渡御行事~
元来、鹿島神社には神主が存在せず、1193年神社へ奉仕を行う組織として「宮座」(氏子の中から選ばれた一定の資格者の集まり)が立ち上げられました。
カシバプラスに認定されている結鎮座の渡御行事は、この「宮座」が毎年1月26日に行う民間伝承の行事です。
貴重なのは、この行事が代々受継がれて今年も開催されたということ、そしてその記録が文書として現存しているということなんです(行事は香芝市無形民俗文化財、文書は奈良県指定文化財)。
香芝に長年住んでいながら、この貴重な行事の存在を初めて知りました。
鹿島神社のご神体 ~「知恵と勇気」「自信と希望」の神~
私が今回の取材を通じて最も気になったのは、鹿島神社のご神体について。
『建御雷之男神(タケミカヅチオノカミ)』は、神の中でも1・2を争う武勇に優れた神様で、軍神としても知られています。
軍神として「比類なき力」、物事を成し遂げるために必要な「知恵と希望」、何より「自分を信じる強い思い」「自信と希望」を授ける神様だと言われています。
コロナ禍を経て先の見えなくなっている今の時代に、まさしくピッタリな神様ではないでしょうか。
(取材・文=変容研究所 中條游雅)